草木染めの「布の種類、布の下処理(たんぱく質処理、やり方、精錬)」
2度の草木染めの経験で「綿のTシャツは下処理を行ってから染める。そのままではあまり色がつかない。」ということを知りました。
綿は下処理が必要なのか?他の布ではどうなのか?
草木染めで調べてみると、綿は、というよりも繊維が動物性なのか植物性なのかで違ってくることが分かりました。というものたんぱく質がポイントになるようです。
染料はたんぱく質と反応して繊維を色づけています。なので、絹はご存知の通り蚕が繭となり、その繭から作られています。つまりは動物性ということです。絹の成分は蚕が体内で作り出すたんぱく質・フィブロインを主成分としています。だから、そのままでも染まるのです。
対して、綿や麻は植物からできているのでたんぱく質を下処理して人工的に布にしみ込ませてあげる必要があるんです。
ちなみに、合成繊維であるポリエステルなどには染まりません。ポリエステルと綿が入っている物を使う場合には綿の割合がなるべく多いものにすれば、比較的ムラにはなりにくいです。
布の下処理の方法について:人工的にたんぱく質処理する
たんぱく質の下処理として使われるのが大豆です。布にしみ込ませるには液体でなければなりませんので、「豆汁(ごじる)」ということになるんです。でも、もっと手軽にやるには「豆乳」、もっともっと手軽に「牛乳」です。
布の下処理のやり方
[牛乳]
布をボールやバケツなどに入れ、浸るくらいの牛乳を入れる。何度か動かしながら20分間ひたし、脱水して干す。
[豆乳]
成分無調整の豆乳を1対1の割合で水で薄めた液に布を浸す。何度か動かしながら20分間ひたす。脱水して干す。
[豆汁(ごじる)]
- 大豆1/2カップ、水1カップをボールなどに浸して一晩ふやかす。
- ふやかした大豆とその水をミキサーにいれて砕き、2リットルの水をくわえてかき回し、目の細かい布でこす。
- できた豆汁に布を入れて、何度か動かしながら20分間ひたし、脱水して干す。
たんぱく質処理で注意するポイント
- 脱水機を約30秒使うと均一に脱水できます。
- 布を浸した後、水洗いをせずに干すということ。水洗いをするとタンパク質が落ちてしまいます。
- たんぱく質の牛乳、豆乳、豆汁などは腐りやすいので、晴れた日に手早く行うことも大切です。
- たんぱく処理のとき、乾燥のときにシワがあると染めムラの原因になります。動かしながら浸すこと、シワを伸ばして乾燥させることに注意します。
精錬の作業について
調べていると「精錬」という言葉が出てきます。買った布には糊がついていたり、ゴミがついていたり、一度着たTシャツなどは汗や汚れが付いているのでキレイに染まらない。そこで、綺麗にする=精錬の作業が必要です。
ちょっと熱めのお湯に、布の重さの2%程度の中性洗剤を入れ、そこに布を約20分浸す。ときどき動かす。そのあとは洗剤が残らないようしっかりと水洗いをします。
草木染めのやり方を調べてみるといつも思うこと
浸す時間、濃度、量などとてもさまざまです。初めてやろうとしている人をとても惑わすのですが、つまりは仕上がりが変わってくるだけなのです。好みの色にしたいならば、自分の量、時間で構わないと思います。
一度ならず、何度も挑戦して好みの色に仕上がるのです。
コメント
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洗練までは終わりましたが、牛乳に浸けた後乾燥させたものは、洗わずそのまま染めに入っていいんですか?
コメントが遅くなり申し訳ありません。
うまく染められたでしょうか。
染めるときは洗わないで大丈夫です。
ただ、染める前に必ず布を水に浸してから染めはじめます。なので、濡らすことになりますね。
どうでしたか。
牛乳で下処理をすると、染めた後も洗ってもかなり牛乳の嫌な匂い(腐ったような)が残り、なかなか取れません。どうすれば、匂いが残らないでしょうか?