なぜ、草木染めで染めた布を「媒染液」に浸すのか?
草木染めで染めた布を媒染液に浸す。なぜ?
イオンだの分子だの難しいことは分かりません。簡単にいうと染色液に布を浸しただけでは色が繊維に乗っかっている状態です。ようは、色が落ちてしまうんです。そこで媒染処理を行うことで、繊維と色を結びつけてあげる作業が必要になります。
難しくいうと、植物の色素に鉄・アルミニウム・銅などの金属のイオンが結びつくと、錯体という化学的構造を作ります。すると、植物の色素は鮮やかな色を発色したり、水に不溶な物質に変化します。
つまりは、植物の色素をしみこませた繊維をこれらの金属イオンを含む液(媒染液)につけると、繊維にからみつけた色素が、その繊維の上で発色し、繊維としっかりと結びつく、ということです。
よって、媒染に使用する媒染液は、金属系の物質になります。
もちろん媒染処理をしなくても草木染めはできますが、媒染することで、布に染めた色素の「色止め効果」や、化学反応による「発色効果」が得られるということです。
染める色は、媒染液の種類や濃度、染液に浸す時間で変わります。
[媒染液の主な種類]
- アルミ媒染液(焼きみょうばん・生みょうばん)
- 銅媒染液(酢酸銅・硫酸銅)
- 鉄媒染液(木酢酸鉄・酢酸第一鉄)
漬物などに使われる「みょうばん」が一番入手しやすいので使われてきました。でも、鉄媒染液も「錆びた釘・酢」で簡単に作ることが出来ます。鉄媒染はみょうばんとは違い、黒っぽい色に変化します。
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