紅花染めに挑戦 ~最上紅花の栽培から染色まで~

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四月に種を撒いた”最上紅花”が、背丈が1mくらいになり花がちらほら咲き始めました。
最初はオレンジ色ですが、二日目くらいから中の方が赤みを帯びてきます。
三日目以降になるとどんどん赤くなり、散ってしまいます。

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染めに使うベストなタイミングは赤みを帯びてきた頃ですが、花はうまい具合に一度に開花してはくれません。
枯れ始めもあり、咲き始めもあり、約60個の花が揃ったタイミングで紅花染めに挑戦してみました。

本来は紅餅(花びらを叩いて、餅の形にして何日もかけて発酵させる)というものを作って染めると着物など、綺麗にできるそうですが、簡単に行える方法でやってみます。

やり方は簡単です。
必要な助剤は『炭酸カリウム』と『クエン酸』です。

紅花は黄色と赤の二色を持った染料で、黄色は水の中で揉みだすだけで溶け出しますが、綿は染まりません。
アルカリの水溶液の中で紅花から赤色を取り出し、染めを行います。
そこで『炭酸カリウム』を使ってアルカリの水溶液を作りました。

助剤は他の物でももちろん行えますが、紅花の赤は熱に弱いため、水の中で簡単に解ける助剤が必要になってくるのです。
なので、水にも溶けやすい炭酸カリウムが紅花染めの助剤として好まれて使われています。
炭酸カリウムの代わりにソーダ灰、クエン酸の代わりに酢酸などを使っても同じです。

①まず、紅花を採集し、重さを測ります。
目安としては50gでハンカチ4枚です。もっと紅色にしたい場合には紅花の量を多くします。
が、約60個の花では約22gにしかなりませんでした・・・涙

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②不織布の中に紅花を入れて水の中でひたすらモミモミ。
すぐに黄色くなっていきますが、綺麗な赤色を取り出すには黄色をできるだけ全て除く必要があります。

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かなりやりました。
黄色やオレンジ色だった紅花が赤くなりました。
量が少なかったので小さな容器で行ったためとてもやりにくかったし。。。

③黄色が出たら次は赤を取り出します。

助剤の分量(目安)
「炭酸カリウム」と「クエン酸」の場合
紅花50g:炭酸カリウム(5%) 2.5g/500mlの水、クエン酸 50g

「ソーダ灰」と「酢酸」の場合
紅花100gに対して温湯5L:ソーダ灰 10g、酢酸(80%) 5cc
※ソーダ灰は熱湯で溶かし、温湯の中で揉みだします。

今回は紅花22gだったので、約1.25gの炭酸カリウムを水に入れました。

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悲しいくらい少ない量をちまちま揉みます。
赤い紅花が黄色?色が抜けるくらいまでやります。
これまたなかなか時間をかけましたが、なかなか進まなかったので、少し炭酸カリウムを追加。
するとかなり色が取り出せたような気がしました。

④色が出たら、クエン酸で中和させます。泡がぽこぽこ二酸化炭素が出てきます。
泡が落ち着いたところで染めの作業がやっと始まります♪

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布をあらかじめ湿らせてから投入します。

頑張った甲斐があって、すぐに綺麗に染まりました☆

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シルクのハンカチと綿のガーゼです。

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(左:シルクのハンカチ、中央:綿のガーゼ、右:黄色い液を煮染めてみょうばんで媒染した綿のガーゼ)

一生懸命黄色の揉みだしを行いましたが、綿を染めるのであれば、黄色の影響を受けないので、ざっとで良かったのかも!?
シルクはさすがです。綺麗に染まりました。

染料から育てて染め上げるのは、さすがに達成感ありますね。
しかし、たくさんの花を一度に集められないとストールを染めるには量が全く足りませんでした。
まだまだ咲きそうな蕾がありますが、どうかな・・・
いつかは紅餅を作ってみたいです。

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コメント

  1. 炭崎 より:

    突然すみません。子供が、こちらのサイトの2015年6月にアップされた紅花染めの方法を参考にして、自由研究をさせていただいたのですが、参考にさせて頂いた事を研究の最後に書かせて頂いてよろしいでしょうか?学校からインターネットで参照した場合はご本人の了解をとるように言われているので、メールしました。よろしくお願いします。

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